金の比重(密度)の調べ方は?純度別の一覧と自宅で簡単に計算する方法
「持っている金製品が本物か調べるために比重をはかりたい」「比重ってどうやって調べるの?」とお悩みの方へ向けて、比重の概要や金の純度別の比重、比重の測定方法を詳しく解説します。ぜひ本記事を参考に、お手持ちの金製品の比重を調べてみてください。
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金が本物か調べる方法のひとつに「比重をはかる」ことがあります。しかし「そもそも比重って何?」「どうやって測定するの?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、比重の概要や金の純度別の比重、家庭でもできる比重の測定方法を紹介します。お手持ちの金製品の比重が気になる方は、ぜひ本記事を参考に調べてみてください。
金の比重(密度)とは
比重とは「ある物質の密度と、基準となる物質の密度の比」のことを指します。通常は水の密度を基準とするので「金の比重=金の密度と水の密度の比」と言えるでしょう。
純金の比重は「19.32」で金属としては重い部類に入ります。最も比重が高い金属はイリジウムの「22.42」で、最も低いのはリチウムの「0.534」です。
純度別|金の比重(密度)一覧
純金ではなく合金となると、割金の配合によって比重に幅が出ます。具体的な純度ごとの比重は以下の通りです。
純度(24分率) | 比重 |
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K24 | 19.32 |
K22 | 17.45~18.24 |
K18 | 16.03~17.11 |
K14 | 12.91~14.44 |
K10 | 11.42~13.09 |
※目安として参考にしてください。
金の比重がわかると金製品の刻印が偽造されていないか確認したり、刻印がない製品の純度を推測したりすることも可能です。例えば「K18」の刻印がついていても、比重が「16.03~17.11」の範囲から大きくズレている場合は、刻印が偽造されている可能性があります。
「色味に違和感がある」「純金は錆びないはずなのに変色してきた」という場合は、比重を調べることも検討してみてください。
金の比重(密度)を調べる方法
金の比重を調べる際は、比重計を利用する方法と水に沈めて測定する方法があります。それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
比重計を利用する
1つ目の方法は、比重計を利用することです。比重計は金・プラチナなどの貴金属の価値を正確に鑑定する際に使われている機械で、ほとんどの貴金属買取店に設置されています。
手持ちの貴金属の売却を予定しているなら、貴金属買取店に鑑定を依頼するのも手段のひとつです。比重計なら正しい数値を調べられるので安心でしょう。
ただし、以下のような場合は比重を正しく計測できないこともあります。
- 中が空洞になっている金製品
- 複数の金属を使用した製品(K18とPT900が使われているなど)
- 宝石がデザインされている製品
比重計は水に入れて測定するため、たとえば「ダイヤの指輪の地金部分だけ」のように部分的な測定はできません。また、宝石によっては水に弱いものもあり、宝石にダメージを与えてしまうこともあるので注意しましょう。
水に沈めて測定する
2つ目の方法は水に沈めて測定することです。比重計は手軽に利用することはできませんが、水を使った比重の測定は自宅でも可能です。
こちらの方法も中が空洞になっていたり宝石がデザインされていたりすると正確に測定できませんが、「自宅で手軽に調べたい」とお考えの方にはおすすめです。具体的な手順は次の見出しで詳しく解説します。
水を使った比重(密度)の調べ方
ここでは、水を使った比重の調べ方を解説します。自宅で簡単にできる方法なので、お手持ちの金製品の比重を調べたい方はぜひ参考にしてください。ひとつずつ手順を解説します。
用意するもの
- 金製品が入る大きさの容器
- 水
- はかり
- 糸(テグスや釣り糸など)
容器の形状は問いませんが、縦横共に余裕のある大きさにしてください。糸で金製品を吊るして沈める際に、容器の底につかない程度が目安です。水は金製品が浸る程度の量を用意してください。
調べる手順
- 金製品の重さを量る
- 水を入れた容器をはかりに乗せる
- 糸で吊るした金製品を水の中へ入れる
- 金製品の重さを体積で割る
それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
1:金製品の重さを量る
まずは、金製品の重さを量ります。はかりに計量したい金属を乗せ、重さを量ってメモしましょう。今回は200gの金製品を例に計算します。
また先ほどもお伝えしたように、空洞がある場合や宝石がついている場合は比重の正確な数値をはかれません。宝石には真珠や珊瑚など、水に弱いものもあるので宝石がついている場合はこの方法では測定しないでください。
2:水を入れた容器をはかりに乗せる
次に水を入れた容器をはかりに乗せます。水はある程度余裕を持って多めに入れてください。はかりに水を入れた容器を乗せることで、簡易的な比重計を作成します。
水を入れた容器をはかりに乗せたら、必ずはかりの目盛りを「0g」に調節しましょう。
3:糸で吊るした金製品を水の中へ入れる
容器と水が用意できたら、金製品を糸で吊るして水の中へ入れます。このとき、金製品が容器の底につかないように糸の長さを調節してください。
沈めたら、金製品の重さだけ目盛りが動いているはずです。目盛りの数値をメモしておきましょう。水の密度は「1㎤あたり1g」なので、例えば15gと表示された場合は金製品の体積が「15㎤」ということになります。
4:金製品の重さを体積で割る
体積がわかったら計算に移ります。以下の式で計算しましょう。
- 金製品の重さ÷金製品の体積
今回の例ならば「200g(金製品の重さ)÷15㎤(金製品の体積)」となり、比重は「約13.4(小数点第2位は四捨五入)」です。
先の見出しで示した「純度別|金の比重(密度)一覧」と照らし合わせると、今回計測した金製品の純度は「K14」と判別できます。
まとめ
金の比重は金製品の純度や品質をはかるための大切な数値です。お手持ちの金製品の価値を知りたい時には、今回ご紹介した方法を参考に比重を測定してみてください。
ただし、宝石がデザインされていたり、空洞になっていたりするものは測定できません。実際に測定する場合は製品を傷つけないよう気をつけましょう。
「どうしても金製品の比重がわからない」「買取に出す予定で事前に価値を知りたい」とお考えの方は、貴金属の買取店で鑑定してもらうことも手段のひとつです。キングラムでは、豊富な鑑定実績をもつ査定士が、金製品の純度や価値を正確に査定します。お気軽にご相談ください。