金の鉱脈はどこにある?代表的な場所や見つけ方、採掘方法を紹介

2023.01.26

金の鉱脈はどこにある?代表的な場所や見つけ方、採掘方法を紹介

「金の鉱脈はどこにあるの?」「個人でも採掘できるの?」と疑問をお持ちの方へ向けて、金の鉱脈の場所や金の採掘方法を解説します。本記事を読めば、金の鉱脈や採掘場所に関しての知識が深まり、金の魅力を学べるはずです。ぜひ参考にしてください。

 
目次

金は鉱山や河川などで採掘されています。日本にも現在は閉山となっている場所も含めて複数の金鉱山が存在しています。金に興味をお持ちの方には「金の鉱脈はどこにあるの?」「個人でも採掘できるの?」と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、日本や世界の金鉱脈や採掘場所、金の採掘方法を解説します。本記事では、個人での金採掘が可能なのかも含めて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

金ができるプロセス

金はもともと、岩石の中に広く薄く含まれています。その岩石を採掘する場所が「鉱山」です。鉱山の中でも金が採掘される「鉱脈」は火山活動に関連しており、火山活動でマグマが噴出して地下水とぶつかることで金属が融解します。その後、冷え固まり「鉱脈」となるのです。

上記の過程でできた鉱脈は「浅熱水性鉱床」と呼ばれ、金や銀の含有率が高い傾向にあります。そのため、金鉱山では「鉱脈」を探し当てて採掘します。

日本の代表的な金鉱脈

日本には代表的な鉱脈が3つあります。

  • 菱刈鉱山(鹿児島県)
  • 佐渡金山(新潟県)
  • 鴻之舞金山(北海道)

かつては他にも金鉱脈がありましたが、すでに金を取り尽くしてしまったのでほぼ閉山しています。現在商業的に採掘が行われているのは「菱刈鉱山」のみです。

新潟県の「佐渡金山」は、かつて日本最大の金鉱山として採掘が盛んに行われていました。閉山した現在では、鉱山の歴史を伝える観光施設として栄えています。

世界の金鉱脈がある国

日本だけでなく、世界にも金鉱脈はあります。特に産出量が多い国トップ3は以下の通りです。

  1. 中国
  2. オーストラリア
  3. ロシア

最も産出量が多いのは中国です。福建省と山東省に鉱脈があり、2021年には370トンもの金を産出しています。2位はオーストラリアで330トン、3位はロシアで300トンです。

現在、日本では金の産出量が大きく減少しています。しかし、廃棄あるいは使用されていない電子機器や家電製品に含まれる貴金属、いわゆる「都市鉱山」は豊富です。例えば携帯電話1台には金が約0.05g、ノートパソコンには約0.03g含まれています。国内に眠っている都市鉱山の金は約6,800トンともいわれています。

金の採掘場所

金の採掘場所

金には温泉地や河川など、主に3つの採掘場所があります。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

火山がある温泉地

1つ目は火山がある温泉地です。日本の多くの金鉱脈は「浅熱水性鉱床」という鉱脈に存在しています。冒頭でもご紹介したように、噴出したマグマが地下水によって冷え固まりできた鉱脈のことです。

日本は火山が多く、全国各地に温泉が湧き出ています。特に塩素の近い温泉がある地域では、付近に浅熱水性鉱床ができている可能性があります。

砂金がある河川

2つ目は砂金がある河川です。砂金が見つかった河川の上流は、金鉱脈の可能性があります。もともと砂金は、金鉱脈が雨や水などの自然的要因で削れ、河川に流れ出たものです。非常に小さいため、目立ちにくく砂に沈殿しています。

国内では北海道の河川で現在も砂金が採れますが、極少量です。そのため、採取した砂金自体を集めて売却することは難しいでしょう。

海底の鉱石

3つ目の採掘場所は海底の鉱石です。2015年、伊豆諸島・青ヶ島沖の水深700mで金の濃度が極めて高い鉱石が見つかりました。東京大学の研究チームが海底で熱水が吹き出す「熱水噴出孔」を発見し、その周辺の岩石を調査したところ、高濃度の金が見つかったのです。

世界の主要な鉱山では1トンで3〜5g産出されるのに対し、調査した岩石には1トンに17gの金が含まれています。研究は現在も続いており、将来的には資源としての活用も期待されています。

金の採掘方法

金の採掘方法

金の採掘方法は4つのステップに分けられます。今回は鹿児島県にあり、国内で現在も採掘が行われている「菱刈鉱山」でも実際に使われている「含水爆薬」という方法を紹介します。含水爆薬は安全性が高く、世界の鉱脈でも採用されている方法です。採掘方法を順番に見ていきましょう。

1:鉱脈に穴を開ける

まずは、鉱脈に深さ1.8〜3.5mの穴を40〜50箇所ほど開けます。専用の穿孔マシンを利用して穴を開けることで、後に使う爆薬を埋める場所を作ります。

2:爆薬を使い鉱石を採取

次に、ステップ1で開けた穴に爆薬を詰め、爆破して鉱石を崩します。砕かれた鉱石を専用の積み込み機械を使って回収し、鉱石処理場に運び出します。

3:鉱石から金を選別

爆薬によって砕かれた鉱石は、まだ大きい状態です。鉱石処理場に運び出したら鉱石は手のひら大に砕かれ、選別されます。選別は専用の機械で行うこともありますが、手作業で行う場合もあります。

4:製錬所で鋳造

選別された金鉱石は金の加工工場に輸送されます。工場で貴金属の製錬工程を経て、最終的に純度99.99%の純金となり、金が完成します。

金の採掘は個人で可能?

金の採掘は個人では難しいでしょう。河川の砂金は比較的手軽に採掘できますがごく少量なので、売れるほどの量にはなりません。

また、鉱脈にある金は鉱石に混ざった金を取り出す必要があり、特殊な機械を使わないと不可能です。先述の通り鉱脈の採掘は特殊な機会を利用するため、個人で巨額の資金を用意するのは厳しいでしょう。また、膨大な年月がかかります。

以上を踏まえると金の採掘は不可能ではありませんが、採掘量が少なかったりたくさんの費用や時間がかかったりするため、個人では難しいといえます。

まとめ

日本国内の金鉱脈はそのほとんどが閉山しており、現在では鹿児島県の「菱刈鉱山」のみ商業的な採掘が行われています。世界にも金鉱脈はあり、中国やオーストラリア、ロシアが特に産出量の多い国です。

また、金鉱脈で採掘するには莫大な予算や時間がかかるため、個人での採掘は難しいでしょう。この先日本で新たな金鉱脈が見つかるかは未知数ですが、日本には火山が多くあります。深海における金採掘の研究も進んでいるため、金鉱脈が見つかるケースも期待できるかもしれません。今後の研究や採掘活動に期待しましょう。

 

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